「新しく開業する」「繁忙期が近い」「競合が近くに出店した」そのようなタイミングで、チラシを配ろうか検討する企業担当者や店舗オーナーの方は多いのではないでしょうか。
ただ、「チラシの効果は本当にあるのか」「10万円以上かけて、ほとんど反響がなかったらどうしよう」と不安になることもあるでしょう。
チラシの効果は、配布部数だけでなく、年代や配布エリア、配布方法、客単価などによって変わります。また、反響率が高くても、費用がかかりすぎれば採算は合いません。
この記事では、チラシの反響率と反響件数の目安、費用相場、配布方法、効果の測り方、改善方法まで紹介します。初めてチラシを配る方でも、「何枚配るか」「いくらまで使うか」「結果を見て続けるか、改善するか、やめるか」の判断ができるように解説します。
チラシの効果でお悩みの方は小林洋行コミュニケーションズにご相談ください。

チラシに集客効果はあるのか
チラシの反響率は一般的に0.01〜0.3%で、10,000枚配布すると1〜30件の反響が見込まれます。ただし、効果の出やすさは紹介する商品やサービス、条件、ターゲットの年代によって異なります。
チラシは60代・70代への集客と相性がよい
消費者庁の「消費者意識基本調査」によると、商品やサービスを購入する際の決め手となる情報源として「チラシ・ダイレクトメール」を挙げた人は、全体の17.1%でした。
年代別に見ると、20代は0.9%、30代は5.0%にとどまる一方、60代は26.4%、70代は33.9%となっています(※)。
この結果から、若年層だけを狙う場合はチラシの優先度は低くなりますが、60代・70代などを主な顧客とする店舗やサービスでは、有効な集客手段の一つと考えられます。
(※)出典:消費者庁「令和5年度消費者意識基本調査 集計表」スライド番号7
減っているのは新聞の届く世帯数
新聞の総発行部数は2021年の約3,302万部から2025年の約2,486万部へ、4年間で約24%減少しました(※)。
ここで分けて考えたい点が、「チラシが読まれなくなったこと」と「チラシが届く世帯が減ったこと」です。新聞の発行部数が減れば、新聞と一緒に届ける折込チラシも、届く世帯が少なくなります。
そのため、「チラシはもう効果がない」と考えるのではなく、誰にどの方法で届けるかを見直すことが大切です。
(※)出典:一般社団法人日本新聞協会「新聞の発行部数と世帯数の推移」
新聞を取っていない世帯に届けるならポスティングも検討
折込チラシが購読世帯にしか届かないのに対し、ポスティングは配布スタッフが各戸のポストへ直接投函します。新聞の購読に関係なく届くため、購読率が下がったエリアで使われます。
また、エリアの絞り方も違います。折込チラシは新聞販売店の配達区域が単位で、それより細かくはできません。ポスティングは町丁目や建物の種類で指定でき、集合住宅のみ、一戸建てのみといった選び方ができます。
配り終わるまでの日数に関しては、折込チラシは指定日に一斉ですが、ポスティングは配布スタッフが歩いて回るので、部数が多いと数日から数週間かかります。
チラシの反響率は?1,000枚ならどれくらい?
反響率とは、配ったチラシのうち来店や電話などの行動につながった割合です。一般的にチラシの反響率の目安は0.01~0.3%とされます。
計算式は「反響数÷配布部数×100」で、1,000枚配って3件なら0.3%です。
部数と反響率から見た想定件数は次の通りです。
| 配布部数 | 反響率0.01% | 反響率0.1% | 反響率0.3% |
|---|---|---|---|
| 1,000枚 | 0件 | 1件 | 3件 |
| 5,000枚 | 0件 | 5件 | 15件 |
| 10,000枚 | 1件 | 10件 | 30件 |
1,000枚配布した場合、見込める反響件数は0~3件ほどです。
一方で別の考え方もできます。10件の反響が必要であるのなら、反響率0.1%を想定する場合、10,000枚が必要になります。
デザイン・印刷・配布の費用相場
チラシの費用はデザイン費、印刷費、配布費の3つに分かれます。相場は次の通りです。
| 項目 | 相場の目安 |
|---|---|
| デザイン費 | 3万円〜5万円前後 |
| 印刷費 | 1,000部:5,000円前後 |
| 新聞折込の配布費 | 1枚あたり3円〜7円 |
| ポスティングの配布費 | 1枚あたり5円〜12円 |
チラシの採算を判断するには、反響率だけでなく、想定売上とチラシにかかる費用を比べる必要があります。
例えば、10,000枚を配布し、反響率0.1%なら想定反響は10件です。10件すべてが購入につながり、客単価が15,000円なら、想定売上は15万円になります。
チラシ配布にかかる費用を合計13万円(デザイン費3万円、印刷費5万円、配布費5万円)とした場合、想定売上からチラシ費用を差し引くと2万円が残ります。
ただし、採算は業種によって異なります。不動産やリフォームのように1件あたりの売上が大きい業種では、反響率が低くても採算が合う場合があります。
一方、飲食店や美容室では、初回来店だけでなく継続利用も含めて考えましょう。月1回3,000円を利用する顧客なら、1年間の売上は36,000円です。
チラシを配布した結果から適切な判断をする
配布後は、反響率だけでなく、売上と費用を比べて次回の方針を決めます。
| チラシの配布結果 | 判断 | 次に検討すること |
|---|---|---|
| 売上がチラシ費用を十分に上回った | 拡大を検討 | 配布部数やエリアを少しずつ広げる |
| 売上がチラシ費用をわずかに上回った | 続行 | 同じ条件でもう一度配るか検討する |
| 反響はあるが赤字だった | 改善 | 訴求内容、客単価、配布エリア、費用などを見直す |
| 反響がほとんどなかった | 大幅な見直し | ターゲットや訴求内容を大幅に見直す |
| 複数回改善しても採算が合わない | 中止を検討 | Web広告やSNSなどチラシ以外の方法を検討する |
一度の結果だけで判断せず、改善と検証を重ねながら、チラシを続けるかを判断しましょう。
チラシの4つの配布方法

チラシの配布方法は代表的なもので次の4種類です。
| 配布方法 | 届く相手 | 使い分けの目安 |
|---|---|---|
| 新聞折込 | 新聞を購読している世帯 | スーパーの特売告知 |
| ポスティング | 購読の有無を問わず全世帯 | 美容室の宣伝 |
| 手配り | その場を通った人 | 飲食店がランチの告知をする |
| 同梱・同封 | 商品・サービスを購入した人 | 次回の割引クーポンを届ける |
新聞の折込チラシは、新聞と一緒にチラシを届ける方法で、新聞を購読している世帯への告知に向いています。一方、ポスティングは住宅のポストへ直接投函するため、新聞を購読していない世帯にも届けられます。
手配りは、駅前や店舗周辺などで通行人に直接渡す方法です。配布する場所や時間帯を絞れるため、特定のエリアにいる人へ届けたい場合に適しています。
同梱・同封は、商品や郵送物にチラシを入れる方法です。新規顧客よりも、すでに利用したことがある顧客への再来店や再購入を促したい場合に向いています。
配布エリアと時期の決め方
どこまで配るかは、すでにお客様がいるかどうかで変わります。顧客データや会員証などで住所の記録があるなら、そこから決められます。
配布エリアを決める際のポイントは以下の通りです。
- 予約の記録や購入履歴、問い合わせの控えなど、住所が残るものを書き出す
- 地図に印をつけて、集中しているエリアを確認する
- お客様が来店できる範囲で区切る(店舗なら徒歩10分など)
- 決めた範囲で配れる部数を業者に確認する
開業前で記録がない場合は、例えば徒歩10分圏内などを配布エリアとしてください。近くに競合があれば確認しておくと検証の精度が高まります。
なお、配布エリアを広げるほど、配布枚数が増えて費用も高くなります。また、店舗から遠くなれば来店につながりにくくなります。そのため、最初は店舗に近いエリアに絞って配布し、反応を見ながら範囲を広げるほうが、費用を抑えられます。
また、チラシを配布する時期は需要期の2週間から3週間前が目安とされます。
例えば、学習塾が3月の入塾申し込みを狙うなら、配るのは2月中旬から下旬を検討しましょう。
チラシの効果を測る方法
チラシの効果を測るには、配布前の準備から配布後の確認まで、順番に進めることが大切です。初めてチラシを配布する場合は、次の3つの流れで進めましょう。
1.配布条件と、何を反響として数えるかを決める
まず、チラシを配る前に次の4つを決めておきます。
- 配布日:いつ配るか
- 配布エリア:どこに配るか
- 配布部数:何枚配るか
- 反響の定義:何を1件として数えるか
何を反響とするかを決めておくことで、配布後に効果を確認しやすくなります。
2.反響を確認する方法を決める
次に、反響をどのように確認するかを決めます。
| 手段 | 測定の方法 |
|---|---|
| クーポン・引換券 | 来店時に持参された枚数 |
| チラシ専用の電話番号 | チラシを見てかかってきた電話の件数 |
| チラシ専用のQRコード | 読み取られた回数、遷移先ページの閲覧数 |
例えば、来店数を測るならクーポン、電話による問い合わせを測るなら専用電話番号が使えます。Webサイトへのアクセスを測りたい場合は、チラシ専用のQRコードを掲載します。
3.配布後に反響率と採算を確認する
チラシを見てから数日後に来店や問い合わせをする人もいるため、配布直後だけで効果を判断するのは早すぎる場合があります。
目安として、配布がすべて終わってから2週間程度は反響を確認します。配布開始日ではなく、配布完了日から数えます。配布に数日かかる場合、開始日を基準にすると、まだチラシが届いていない世帯まで反響なしとして誤って判断してしまうためです。
チラシの効果を高める方法

チラシの効果を高めるには、オファーやデザインを見直しながら、配布後の結果を記録して改善を重ねます。
オファーとデザインを見直す
オファーとは、来店や問い合わせを促すための特典や条件のことです。
一般的には、次のようなものがあります。
- 割引:10%OFF、500円引き
- プレゼント:粗品やサンプルの進呈
- 期間限定特典:今月末まで、〇日まで
- 数量限定特典:先着100名限定
- 紹介特典:友人紹介で割引やプレゼント
また、デザインでは、見た目の良さだけでなく、内容がひと目で伝わり、次の行動がわかることが大切です。次の点を確認しましょう。
- 何のチラシかがすぐにわかる
- 商品やサービスのメリットが伝わる
- 価格や特典が見つけやすい
- 電話番号や問い合わせ方法がわかる
- クーポンや期限が目立つ位置にある
情報を詰め込みすぎず、「誰に、何を伝え、どう行動してほしいか」がわかるデザインにすると、反響につなげやすくなります。
一度に変える要素は1つにする
チラシを改善する時は、一度に複数の条件を変えないようにします。
例えば、2回目の配布でオファーを変えるなら、部数や配布エリア、時期はできるだけ前回と同じ条件にします。複数の条件を同時に変えると、何が反響に影響したのかわからなくなるためです。
配布後は、次の内容を記録しておきましょう。
- 配布日と配布部数
- 配布エリア
- 前回から変えた点
- 反響件数
少ない部数では改善効果がわかりづらい
配布部数が少ない場合、数件の差だけで「改善した」と判断するのは難しくなります。
目安として、少ない部数では反響件数が少なくなり、結果が安定しにくくなります。まずは5,000〜1万枚程度をひとつの目安にして、反響率を確認するとよいでしょう。
また、2種類のチラシを用意して効果を比較する場合は、さらに多くの部数が必要です。部数が少ないうちは無理に優劣を決めず、同じ条件で配布し、その結果を確認しましょう。
チラシとWebを組み合わせて効果を高める
チラシは配って終わりではなく、WebやSNSにつなげることで、その後の集客にも活かせます。
例えば、チラシを見た人が店名をGoogleで検索し、営業時間や口コミを確認してから来店することがあります。そのため、WebサイトやGoogleマップの情報は最新にしておきましょう。
具体的には、次のような方法があります。
- チラシにQRコードを載せてWebサイトへ誘導する
- Googleマップの営業時間や写真を最新にする
- InstagramやLINEへの登録を案内する
- SNSでキャンペーンを告知して再来店を促す
チラシで宣伝し、Webで確認してもらい、SNSで継続的につながる流れをつくると、その後の集客にも活かしやすくなります。
なお、チラシからWebサイトへ誘導できても、予約や問い合わせにつながらなければ十分な成果とはいえません。誘導先のWebサイトでは、「CVRの改善」もあわせて行い、問い合わせにつながりやすい状態に整えましょう。
チラシの効果に関するよくある質問
ここからは、チラシの効果に関するよくある質問を紹介します。
チラシでNGとなる表現はありますか
商品やサービスを実際よりも安く見せたり、優れているように見せたりする表現は、景品表示法に違反するおそれがあります。
例えば、販売実績のない価格を「通常価格10,000円→5,000円」のように表示すると、問題になる場合があります。
価格や割引を大きく掲載する場合は、とくに注意しましょう。
クリニックや不動産のチラシには特別なルールがありますか
あります。クリニックのチラシは医療広告等ガイドライン(※1)の対象となり、治療内容や効果、料金などの表現に制限があります。
不動産のチラシも「不動産の表示に関する公正競争規約」(※2)を確認する必要があります。物件情報として記載する項目が定められています。
どちらも一般的な店舗のチラシよりルールが細かいため、印刷前に最新のガイドラインや規約を確認してください。
なお、クリニックでは、チラシだけでなくSEOやGoogleマップなどを組み合わせた集患も考えられます。詳しくは、「クリニックの集患におすすめの施策」の記事をご覧ください。
(※1)出典:厚生労働省「医療広告等ガイドライン」
(※2)出典:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約」
「チラシお断り」の家のポストに誤ってポスティングしたらどうなる?
誤って一度投函しただけで、直ちに罰則を受けるとは限りません。ただし、住人から苦情を受ける可能性があります。
とくに、「チラシお断り」「広告物投函禁止」などの表示を確認したうえで、敷地やマンションの共用部分に立ち入って繰り返し投函すると、トラブルになるおそれがあります。
ポスティングを業者へ依頼する場合は、投函禁止の住宅をどのように管理しているか、配布スタッフへのルール周知を徹底しているかを確認しておきましょう。
まとめ
チラシで成果を出すには、誰に届けるか、どの方法で配るか、どの程度の売上を見込めるかまで考えることが大切です。年代によって相性も異なるため、ターゲットに合った配布方法を選びましょう。
配布後は、反響率だけでなく売上と費用も確認し、次回の改善につなげます。オファーやデザインなど、変更する要素を1つに絞って検証すると、自社に合った方法を見つけやすくなります。
また、チラシからWebサイトやSNSへ誘導することで、その後の集客にもつなげられます。
チラシの制作や集客方法については、小林洋行コミュニケーションズにご相談ください。チラシの企画や制作だけでなく、Web広告やSEO、Webサイト制作なども含め、ターゲットや目的に合った集客方法をご提案します。
チラシだけに限らず、複数の集客経路を組み合わせて成果につなげたい企業様をサポートします。


