「タイムCMにしますか、それともスポットCMにしますか」。テレビCMの相談を始めると、放送局や代理店からこう聞かれることがあります。
初めての場合、「違いは何となくわかるが、どちらがよいのか」「予算を無駄にしないためにはどうすべきか」と迷うケースも多いことでしょう。
タイムCMとスポットCMの違いは、番組を選べるかどうかだけではありません。契約期間、社名のアナウンスの有無、料金の決まり方も異なります。
この記事では、タイムCMとスポットCMの違いを解説します。自社で検討する際の参考にしてください。
テレビCMの出稿方法でお悩みの方は小林洋行コミュニケーションズにご相談ください。

タイムCMとスポットCMの違い

タイムCMは、特定の番組のスポンサーになって放映するCMです。一方でスポットCMは、番組を決めずに放送局が用意した時間帯の枠に放映するCMです。
以下、主な違いを表にまとめました。
タイムCMとスポットCMの違い
| 項目 | タイムCM | スポットCM |
|---|---|---|
| 購入枠 | 特定の番組のCM枠 | 放送局が定める時間帯のCM枠 |
| 放映時間帯と量 | 提供番組の放送日時 | 設定できる |
| 番組での社名表示、アナウンス | あり | なし |
| CMの最小単位 | 30秒 | 15秒 |
| 契約期間 | 2クール(6ヶ月)が基本 | 設定できる |
| 放送エリア | 提供する番組の放送エリア | 契約した放送局の放送エリア |
| 料金 | 電波料+制作料+ネット費 | 視聴率1%分の値段(パーコスト)×購入量 |
| 申込みの時期 | 4月、10月の番組改編に入る前 | 放映時期を選べる |
まずは「どのくらいの期間にCMを流したいか」「どの地域に放映したいか」を整理すると、タイムCMとスポットCMのどちらを検討すべきか絞りやすくなります。
なお、放送局によって条件が異なる場合があります(※1)(※2)。
(※1)出典:日本テレビ「日テレ広告ガイド タイムCMとは?」
(※2)出典:テレビ朝日「「タイムCM」ってなに?「スポットCM」との違いは?その料金&メリットとは?」
タイムCMは番組のスポンサーになって放映するCM
タイムCMは番組のスポンサーになって放映するCMです。番組の始めや終わりに「この番組は、ご覧のスポンサーの提供でお送りします」と社名がアナウンスされるため、視聴者に企業名を覚えてもらいやすくなります。
「〇〇番組のスポンサー企業」として、営業先や採用候補者への認知や信頼感の向上にも活用できます。
なお、タイムCMは、CMが放映されるエリアによって、ネットタイムとローカルタイムの2つがあります。
ネットタイムとローカルタイムの比較
| 区分 | CMが放映されるエリア |
|---|---|
| ネットタイム | 系列の放送局すべて(全国) |
| ローカルタイム | その放送局の放送エリアのみ |
全国ネットの番組でも、その局のエリアだけに放映する枠を購入できる場合があります。
スポットCMは番組を決めずに時間帯の枠で放映するCM
スポットCMは、番組に関係なく、放送局が定めた時間に放映するCM枠です。複数の番組の途中や、番組と番組の間に流れます。
番組は指定できませんが、放映する季節・期間・CMの量・曜日や時間帯を選べます。
契約期間はタイムCMが6ヶ月、スポットCMは自由に決められる
タイムCMの契約は、2クール(6ヶ月)が基本となっていることが多く、1クールは3ヶ月にあたります。
そのため、タイムCMは短期間に集中して放映する使い方には向いていません。
一方、スポットCMは、購入する期間を比較的自由に設定でき、新商品のキャンペーン期間中だけ購入してCMを放送できます。
地元エリアだけに放映したい場合は?
CMを放映したいエリアが地元に限られる場合は、スポットCMか、地元の放送局が放送する番組のタイムCM(ローカルタイム)が選択肢になります。
スポットCMは、契約した放送局の放送エリア内で放映されます。一方、タイムCMは、提供する番組の放送エリアにあわせて放映されます。そのため、全国ネットの番組を提供すると、CMも全国で放映されます。
地元だけに届けたい場合は、地元局のローカル番組でタイムCMを出稿する方法があります。全国ネットの番組に比べて電波料が低い傾向があり、費用を抑えやすいのも特徴です。
タイムCMは4月と10月の番組改編時期を把握しておく
タイムCMは6ヶ月契約が基本のため、番組の改編(番組の入れ替え)の時期にあわせて、テレビ局や広告代理店がスポンサー枠を販売します。
例えば、4月から番組を提供する場合は1〜3月、10月からの番組は7〜9月を、スポンサーの募集・販売期間としているテレビ局があります(※)。
人気番組では既存のスポンサーが契約を継続することもあり、希望する番組に空き枠がない場合もあります。
(※)出典:日本テレビ「日テレ広告ガイド タイムCMのセールスタイミング」
タイムCMとスポットCMの料金の仕組み
タイムCMの料金は、番組の枠の料金(電波料)に制作料とネット費を足して決まります。
一方、スポットCMの料金は、視聴率1%分の値段(パーコスト)と購入する量で決まるのが一般的です。
なお、テレビCM全体の費用の目安や予算の配分は、「テレビCMの費用はいくら?目安となる相場と50万円から始める予算の組み方」の記事で詳しく解説しています。
タイムCMの料金
タイムCMの料金は、テレビ局によって「電波料+制作料+ネット費」などで構成されます。
このうち電波料は、テレビ局の放送枠を使ってCMを流すための料金です。金額は、提供する番組や放送する地域、時間帯などによって変わります。ネット費は、複数の系列局でCMを放映する際にかかる費用です。
テレビ局によっては、放送する時間帯をA・B・C・Dなどのランクに分け、それぞれ料金を設定しています。
タイムCMにおける電波料の一例
| ランク | タイムCMの基本料金(30分番組) |
|---|---|
| A | 150万円 |
| B | 100万円 |
| C | 70万円 |
| D | 50万円 |
ただし、この料金だけでCM出稿に必要な費用のすべてが含まれているとは限りません。CM制作費や番組制作費などが別途必要です。
料金表だけではCMが何回放送されるのかわからない場合もあります。そのため、見積りを確認する際は、料金の総額だけでなく、放送回数や含まれる費用も確認しましょう。
スポットCMの料金
スポットCMの料金は、「CM1本いくら」ではなく、どれくらいの視聴率を獲得するかを基準に決めるのが基本です。
そこで使われるのが「GRP」と「パーコスト」です。
GRP(Gross Rating Point)は、放映したCMの視聴率を合計した数字です。例えば、視聴率5%の番組に1本、3%の番組に1本CMを流した場合、合計は8GRPになります。
パーコストは、1GRPあたりの料金で、放送局が時間帯、広告需要などを考慮して設定します。例えば、1GRPが10万円で20GRP分を購入する場合、料金は200万円になります。
GRPについては「テレビCMの費用が決まる基本的な仕組み」をご覧ください。
スポットCMは時期によって変動する

スポットCMの料金は、同じ時間帯でも時期によって変わります。広告を出したい企業が集中する時期は枠が混み合い、料金が高額になります。
主な時期の料金の傾向
| 時期 | 料金の傾向 |
|---|---|
| 3月、4月(年度末・年度初め) | 高め |
| 12月、1月(年末年始) | 高め |
| 8月など広告需要の少ない時期 | 低め |
テレビCMの発注が集中する時期は、パーコストが高くなります。
そのため、同じ時間帯に同じ金額を出しても、放映されるCMの量(GRP)は通常期とは変わります。パーコストが高い分、同じ費用でCM枠を買える量は少なくなります。
タイムCMとスポットCMは6ヶ月の総額で比べる
タイムCMとスポットCMを比較する場合は、放送エリア・期間・予算をそろえて見積りを取りましょう。例えば、「関西エリアで6ヶ月間、予算300万円」と条件を決めます。
そのうえで、
- タイムCM:特定の番組に毎週放映し、6ヶ月で合計〇本
- スポットCM:複数の時間帯に、6ヶ月で合計〇本
といった形で比較します。
確認したいのは、「どの番組・時間帯に流れるか」「何本程度放映できるか」「途中で放映量を調整できるか」などです。
タイムCMとスポットCMの自社に合った選び方
タイムCMとスポットCMのどちらを選ぶ際には、放映する期間、放映したいエリア、社名をアナウンスしたいか、についても判断の材料になります。自社の状況から、検討する買い方を確認してください。
自社の状況を考慮したCMの選び方
| 自社の状況 | 検討すべきCM | 理由 |
|---|---|---|
| 同じ番組の視聴者に6ヶ月間続けてCMを放映したい | タイムCM | 2クール(6ヶ月)単位で同じ番組に放映される |
| 新商品やキャンペーンにあわせて集中的に宣伝したい | スポットCM | 放映する期間を自由に決められる |
| 地元エリアだけに放映したい | スポットCM、または地元局の番組のタイムCM | スポットCMは契約した局のエリアだけで放映される |
| 番組の中で社名を読み上げてほしい | タイムCM | スポットCMでは読み上げられない |
| 15秒のCMしか用意していない | スポットCM | タイムCMの最小単位は30秒 |
| 月ごとに予算を増減したい | スポットCM | タイムCMは6ヶ月契約が基本 |
| 提供している番組の名前を営業や採用で伝えたい | タイムCM | 番組名と放送時間が決まっている |
長期間にわたって企業や商品の認知を高めるブランディングには、タイムCMが適しているでしょう。
タイムCMとスポットCMの使い分けも考える
タイムCMとスポットCMは互いに補完する関係にあり、目的に応じて使い分けられる場合もあります。
例えば、提供番組で年間を通じて社名を届けつつ、売上が伸びる時期の前だけスポットCMを足す方法です。どちらか一方で始めて反響を確かめ、あとからもう一方を加える進め方もできます。
あわせて検討したいSASやTVer広告
タイムCMやスポットCMとは別に、SAS(スマート・アド・セールス)やTVer広告も検討しましょう(※1)(※2)。
SASは、スポットCMよりも放送する日時や番組をさらに細かく指定して、1本単位で購入できる方法です。
例えば、新商品の発売日やイベント当日に、特定の番組でCMを流したい場合に向いています。番組を細かく指定できる一方、対応していない放送局もあり、単価は高くなる場合があります。
また、TVerなどの配信サービス広告は、年齢・性別・地域・興味関心などの条件で配信先を絞れるのが特徴です。予算と配信期間を決めて、小さく試したい場合にも使いやすい方法です。
SASとTVer広告の比較
| 広告 | 購入単位 | 適している場合 |
|---|---|---|
| SAS | 15秒のCMを1本から | 新商品の発売日やイベントの日にあわせて、決まった番組に流したい |
| TVer広告 | 予算と配信期間を設定する | 年齢・性別・エリアを絞って試したい |
ただし、配信サービス広告は地上波テレビの視聴者すべてに届くわけではありません。幅広い年代に一斉に認知を広げたい場合は、地上波のタイムCMやスポットCMのほうが適していることもあります。
(※1)出典:BSフジ「スポットCMからタイムCMまで!テレビ広告の種類、特徴とメリット」
(※2)出典:TVer「TVer広告とは」
タイムCMとスポットCMに関するよくある質問
ここからはタイムCMとスポットCMに関するよくある質問を紹介します。放送前の審査やCM映像の用意、BS放送での違いなど、出稿を検討する際に気になりやすいポイントを取り上げます。
タイムCMでもスポットCMでも放送前の審査はありますか?
タイムCMでもスポットCMでも、放送前には放送局による考査(放送してよい内容かを放送局が確認する審査)があります。
業態審査(初めて出稿する会社の審査)、CM素材の準備、CM内容考査を経てCM枠が正式に決まります(※)。
(※)出典:テレビ東京「テレ東広告 テレビCM実施手続き」
CMの映像素材がない場合はどうすればよいですか?
CMの映像素材は基本的に広告主側で用意します。
映像がない場合は、広告代理店などに制作会社を紹介してもらう方法もあります。制作を依頼する際は、出稿方法にあわせて秒数を決めます。タイムCMは30秒以上、スポットCMは15秒が基本です。
BS放送でもタイムCMとスポットCMの違いは同じですか?
番組を選べるかどうかという基本的な違いは、地上波と同じです。
ただし、BS放送は全国が放送エリアとなるため、タイムCM・スポットCMともに全国へ放映されます。また、タイムCMを15秒単位で購入できる場合があるなど、地上波とは条件が異なることがあります。
まとめ
タイムCMとスポットCMは、番組を選べるかどうかだけでなく、契約期間、放送エリア、社名の出方、料金の決まり方も異なります。タイムCMは番組のスポンサーとして6ヶ月単位で契約するのが基本です。一方、スポットCMは放映する期間や量を調整できます。
どちらを選ぶか迷った場合は、「何ヶ月続けて放映するか」と「どのエリアに放映するか」を整理すると判断しやすくなります。6ヶ月以上、同じ番組で継続して放映したい場合はタイムCM、数週間から数ヶ月で調整したい場合はスポットCMが候補となります。
小林洋行コミュニケーションズでは、テレビCMの放映枠の企画・購入から映像制作、効果測定まで一貫して対応しています。特に近畿・九州のローカル局との連携を強みとし、地域を絞った出稿や複数局を組み合わせた提案も可能です。
また、テレビCMの視聴データを活用したダイナミック広告や、TVerなどの配信サービス広告にも対応しています。テレビCMの出稿方法や、タイムCMとスポットCMの選び方でお悩みの方は、小林洋行コミュニケーションズへご相談ください。


