Webマガジン 第217号  

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<WebマガジンSignalNow> 2022年10月15日・第217号
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(1) 命を守る防災コラム 第163回
   「長周期地震動」を「緊急地震速報に追加」について
(2) 9月の地震活動及び火山活動について
(3) 9月の地殻変動

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(1)命を守る防災コラム 第163回
   「長周期地震動」を「緊急地震速報に追加」について
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気象庁が10月7日、「緊急地震速報」発令の対象に「長周期地震動」を(来年2月から)
加えることを正式発表しましたので、今号はこれをお伝えします。

気象庁が新たに追加した「注意報・警報」としては、昨年のWebマガジンで「線状降水帯
注意情報」についてお届けしました。

Webマガジン(2021年5月15日)第200号・本コラムの第146回にて、「線状降水帯注意
情報について(正式名称「顕著な大雨に関する気象情報」)」を取り上げ、これに続くもの
となります。

<参考>Webマガジン第200号・コラム第146回「線状降水帯注意情報について」
https://www.kobayashiyoko-com.jp/sn/info_web200.html

「線状降水帯注意情報」については今夏の大雨でも、各地に多くの注意報・警報が出され、
「命を守る防災」として機能していたように思われます。

1.長周期地震動について

長周期地震動は、東日本大震災の際に首都圏の高層ビルなどにおいて、地震がおさまった
あともゆっくりとした周期で揺れ続けるという現象が多数発生したことを契機に注目され
るようになりました。

長周期地震動は遠くまで伝わりやすい性質があり、地震が発生した場所から数百km離れた
ところでも大きく長く揺れるという特性があります。

2011年の東日本大震災では、高層ビルの揺れ幅は最大で2mに達し、震源から遠く離れた
大阪の超高層ビルまで大きく揺れました。

地震が発生すると、さまざまな周期(揺れが1往復するのにかかる時間)を持つ揺れ(地
震動)が発生します。

建物にも、固有の揺れやすい周期(固有周期)があり、地震波の周期と建物の固有周期が
一致すると共振して、建物が大きく揺れます。

高層ビルの固有周期は低い建物の周期に比べると長いため、長周期の波と「共振」しやす
く、共振すると高層ビルは長時間にわたり大きく揺れ続けます。

長周期地震動にる揺れは、高層階になるほど大きくなり、壁や天井が崩れたり、家具や什
器が転倒したり、大きく移動して人や物・壁・ガラス窓などにぶつかったり、エレベーター
が停止・故障するなどの被害が出ました。

長周期地震動によって、屋内にいるにもかかわらず怪我したり、場合によっては火災発生
の可能性が懸念されるなど、その危険性が指摘されています。

[出典]気象庁 Webサイト
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/choshuki/index.html

2.長周期地震動の追加について

気象庁は来年2月1日から、緊急地震速報の発表の対象に「長周期地震動」を加えること
に決め、長周期地震動の揺れを「4段階」に区分しました。

<階級1「やや大きな揺れ」>

「階級1」は「やや大きな揺れ」で、室内にいるほとんどの人が感じ、「ブラインドなど
のつり下げたものが大きく揺れる」程度と定義しています。

今年9月末までの約20年の間に、249回発生しているそうです。

<階級2「大きな揺れ」>

「階級2」は「大きな揺れ」で、室内では物につかまらないと歩くことが難しく、「棚に
ある食器や本が落ちることがある」程度と定義しています。

今年9月末までの約20年間に、84回発生しているそうです。

<階級3「非常に大きな揺れ」>

「階級3」は「非常に大きな揺れ」で、立っていることが困難になるほか「キャスター付
きのオフィス機器などが大きく動き、不安定なものは倒れることがある」程度と定義して
います。

今年9月末までの約20年の間に、16回発生しているそうです。

<階級4「極めて大きな揺れ」>

「階級4」は「極めて大きな揺れ」で、立っていることができず、「固定していない家具
の大半が移動し倒れるものもある」程度と定義しています。

今年9月末までの約20年の間に17回発生し、東日本大震災における東京の揺れもこの階
級に相当するということです。

このうち「階級3(4段階の上から2番目)」となる「立っているのが困難」とされる以
上の揺れが予測される地域に発令されます。

地震が発生して「緊急地震速報」が発令された地域に加えて、震源から離れた地表の震度
は低い地域であっても、「長周期地震動」が予測される地域には発令されるようになります。

震源の近くの地域に「緊急地震速報」が発表されて少し経過してから、「長周期地震動」
が予測された別の地域に「追加で発表される」こともあるそうです。

気象庁によると、2000年以降ぶ「階級3」以上の「長周期地震動」を伴う地震は、2004
年の新潟県中越地震や2016年の熊本地震などをあわせて33回にのぼるとのことです。

[出典]気象庁 Webサイト
https://www.data.jma.go.jp/eew/data/ltpgm_explain/about_level.html

3.「長周期地震動」速報の活用法について

国の想定では「南海トラフ巨大地震」でも「長周期地震動」が発生し、東京・名古屋・大
阪の超高層ビルの揺れ幅は2?3mに達して、東日本大震災を上回る可能性もあるとして
います。

国土交通省によると、高さ60mを超える超高層ビルは、全国に数千棟もあるそうです。

「長周期地震動」の速報が発令されたら、まず火を消し、大きな家具や什器から離れ、照
明の落下やガラスの破損に備えるのが「身を守る」上で大切となります。

また、エレベーターの停止や閉じ込めなどが起きる恐れがありますので、すぐに最寄りの
階のボタンを押し、外に出る方が良いでしょう。

「階級4」は「立っていることができない」ほどの揺れです。

床に這いつくばってしまう状態になってからでは、何もできません。

そうなる前に「速報」の段階で素早く、やるべきことをして、可能な限りの「身の安全」
を守ることが大切ですね。

ほんの「何秒かの迅速な行動」が生死を分けることになるかもしれません。

「速報」が出たら慌てず、冷静に「命を守る防災」を実践したいものです。

その時になって「焦ってしまいそう」な方は、自分の部屋で「防災訓練」をしてみるのも
良いかもしれませんね。

by Hirono

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(2)9月の地震活動及び火山活動について
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●地震活動
全国で震度3以上を観測した地震の回数は15回で、このうち、最大震度4以上を観測し
た地震は2回でした。

日本及びその周辺におけるM4.0以上の地震の回数は126回でした。

●火山活動
警報・予報事項に変更のあった火山は以下のとおりです(2022年10月11日14時現在)。

諏訪之瀬島では、28日に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)
から3(入山規制)に引き上げました。

永良部島では、1日に噴火予報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1
(活火山であることに留意)に引き下げました。

気象庁 22.10.11 令和4年9月の地震活動及び火山活動について
https://www.jma.go.jp/jma/press/2210/11a/2209jishin.html

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(3)9月の地殻変動
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2020年夏頃から紀伊半島西部・四国東部で観測されている、それまでの傾向とは異なる
地殻変動は、収束したと見られます。この変動は、紀伊水道周辺のプレート境界深部に
おける長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。

2019年春頃から四国中部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。こ
の変動は、四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因する
ものと推定しています。

2020年夏頃から九州南部で観測されている、それまでの傾向とは異なる地殻変動は、
2021年秋頃には停滞していましたが、2022年春頃から停滞前の状態に戻りつつあるよう
に見えます。この変動は、日向灘南部のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべり
に起因するものと推定しています。

石川県能登地方では、2020年12月頃から「能都」で南南西方向の変動が、「珠洲」で隆
起が見られるなど、この地域の地震活動とほぼ同期して地殻変動が観測されています。

2022年2月頃から沖縄本島北西沖で発生している地震活動とほぼ同期して、久米島の
「具志川」で、南東方向に小さな地殻変動が観測されています。

硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」で隆起が、「硫黄島2」で南向きの変動が継続
しています。

諏訪之瀬島では、「十島」で2022年6月頃から南東向きのわずかな変動が見られます。

国土地理院 22.10.11 令和4年9月の地殻変動
https://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2022-goudou1011.html

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第1位 10月2日 大隅半島東方沖で最大震度5弱の地震
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第2位 9月24日 兵庫県南東部で最大震度3の地震
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/5782532295112739/
第3位 9月20日 岩手県沖で最大震度4の地震
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/5771636902868945/

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