Webマガジン 第200号  

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<WebマガジンSignalNow> 2021年5月15日・第200号
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(1)2分で読める防災コラム 第146回
   「線状降水帯」注意情報について
(2)日本海側 地震直後に津波到達する「海陸断層」が多数存在
(3)4月の地震活動
(4)4月の地殻変動

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(1)2分で読める防災コラム 第146回
   「線状降水帯」注意情報について
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今年は「5月11日」に九州南部で梅雨入りが発表され、これは「5月1日」となった
「1956年」に次いで、2番目の早さとのことです。

九州と言えば、昨年の「令和2年7月豪雨」では、梅雨前線が長期停滞(約1か月もの
間)して記録的な豪雨が続き、熊本県を流れる球磨川などが氾濫し、79人の死者・行方不
明者が出る大惨事となりました。

さらに9月にも、大型で非常に強い「台風10号」が接近し、九州全域が暴風域となって激
しい風雨をもたらし、6人の死者・行方不明者が出て、九州一体に大規模停電も発生しま
した。

九州以外でも、7月中旬には中国地方、下旬には東北地方でも大雨となり、筑後川や飛騨
川、江の川、最上川といった大河川での氾濫が相次ぎ、土砂災害や浸水などによって大き
な被害が各地で発生しました。

そのような意味では、今の日本にとって、数年前から毎年発生している「豪雨災害」は、
もはや「地震」と並ぶ大規模災害となっています。

そこで、気象庁は「豪雨災害」に対する新たな取組みとして、「線状降水帯」の注意情報
(警戒レベル4相当以上)を発信することを決定しました。

気象庁が、昨年「7月の豪雨災害」の状況を検証したところ、球磨川が氾濫する約3時間半
前に線状降水帯が発生していたということです。

「線状降水帯の発生」を早期に警戒してもらうことで、避難等を円滑に行い、被害を最小
限に留めたいという狙いです。

*警戒レベル4相当以上とは
警戒レベル5(災害がすでに発生)「大雨特別警報」「氾濫発生情報」
警戒レベル4(避難勧告を発令する目安)「土砂災害警戒情報」「危険度分布の「非常に危
険」(うす紫)」「氾濫危険情報」「高潮特別警報」「高潮警報」

今号は、この「線状降水帯」注意情報についてです。

1.「線状降水帯」注意情報について

正式名称は「顕著な大雨に関する気象情報」で、6月から運用を開始するとのことです。

数年来続く「豪雨災害」で、すっかり「線状降水帯」という専門用語も広く社会に浸透し、
気象情報の言葉として用いることで、大雨災害への危機意識を強調したいとしています。

気象庁の「線状降水帯の情報」は、都道府県の地方ごとが対象で、例えば「線状降水帯に
よる非常に激しい雨が同じ場所で降り続いています。命に危険が及ぶ土砂災害や洪水によ
る災害発生の危険度が急激に高まっています」のように呼び掛けるとしています。

(1) 「線状降水帯」の定義について

気象庁における「予報用語」における「線状降水帯」の定義は次のとおりです。

「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、
数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる
長さ50 ~ 300km程度、幅20 ~ 50km程度の強い降水をともなう雨域。」

(2) 「線状降水帯に関する情報」の発表基準について

気象庁では、線状降水帯に関する情報を発表する基準を、次のように設定しています。

「予報用語で定義されている「線状降水帯」の条件を満たすだけでなく、大雨による災害
発生の危険度が急激に高まってきた場合に発表できるよう、降水形状や降水量に加えて、
危険度分布も考慮して線状降水帯に関する情報の基準を設定。」

より具体的には、次を基準として発表しています。

<「線状降水帯に関する情報」の発表基準>

1.【雨量】解析雨量(5kmメッシュ)において前3時間積算降水量が100mm以上の分布域
の面積が500平方km以上

2.【雨量】1.の形状が線状(長軸・短軸比2.5以上)であること

3.【雨量】1.の領域内の最大値が150mm以上であること

4.【危険度】大雨警報(土砂災害)の危険度分布において、土砂災害警戒情報の基準を実
況で超過(かつ大雨特別警報の土壌雨量指数基準値への到達割合8割以上)又は洪水警報
の危険度分布において、警報基準を大きく超過した基準を実況で超過していること

2.線状降水帯の予測精度向上について

気象庁では次の3つの施策により、線状降水帯の予測精度を向上させるとしています。

(1) 洋上観測の強化

観測船等の運航計画を?直し、梅雨期の東シナ海の観測を強化しつつ、線状降水帯上流の
水蒸気等の大気状況を正確に把握する観測能力を強化するとしています。

(2) アメダスへの湿度計導入

アメダスに湿度計を追加することで、大気下層の湿った風を正確に把握し、陸上の湿度
(水蒸気)・風・気温等の観測と合わせて、精度を向上するとしています。

(3) 気象レーダーの更新強化

そもそも「気象レーダー」とは、アンテナから電波を発射し、雨や雪などの散乱体にあ
たって返ってきた反射波を受信する装置です。

気象レーダーを「二重偏波化」することで、水平方向及び垂直方向に振動する電波を、
同時に送受信できるようになります。

2種類の受信信号を利用することで、雨の強さを高精度に推定できるだけでなく、散乱体
の形や種類(雨、雹、竜巻の飛散物等)を判別できるようになります。

このレーダーを用いて、降水粒子の自動判別や降水の元となる水蒸気情報の抽出等が可能
となり、局地的大雨の監視能力を向上させ、危険度分布等のメッシュ情報を高精度化する
としています。

今年3月から順次、全国20か所にある気象レーダーが更新され、「二重偏波化」の導入が
行われています。

これらのさまざまな情報を分析し、スーパーコンピュータによるシミュレーション等も活
用するとのことです。

3.今後について

来年の梅雨前をめどに、発生半日前の予報も始める予定とのことです。

また、警報や注意情報が数多くなって、わかりづらくなっていることから、将来的には
「統合して一体的に情報発信していく」ことも検討するとしています。

「緊急地震速報」と同様、災害から命を救う情報の充実によって、少しでも多くの命が助
かることを祈るばかりです。

by Hirono

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(2)日本海側 地震直後に津波到達する「海陸断層」が多数存在
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東日本大震災では、10m以上の大津波が甚大な被害をもたらしましたが、津波のリスクには
到達するまでの早さもあります。

特にそのリスクが高い日本海について、国の研究プロジェクトが、新たな調査結果を取り
まとめました。

津波を引き起こすおそれのある断層は合わせて185あり、中には陸と海にまたがるように
断層が伸び、地震直後に津波が到達する「海陸断層」が多数あるとして、専門家は「リス
クを認識して地域の防災に役立ててほしい」と指摘しています。

NHK 21.4.22
https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/select-news/20210422_01.html

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(3)4月の地震活動について
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全国で震度3以上を観測した地震の回数は47回で、このうち、最大震度4以上を観測した
地震は8回でした。

日本及びその周辺におけるM4.0以上の地震の回数は80回でした。

気象庁 21.5.13
http://www.jma.go.jp/jma/press/2105/13a/2104jishin.html

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(4)4月の地殻変動
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東日本の広い範囲で、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。

2020年夏頃から紀伊半島西部・四国東部で観測されている、それまでの傾向とは異なる地
殻変動は、最近は鈍化しているように見えます。この変動は、紀伊水道周辺のプレート境
界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。

2019年春頃から四国中部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。この変
動は、四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと
推定しています。

2020年夏頃から九州北部及び九州南部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測してい
ます。このうち、九州北部では最近は鈍化しているように見えます。これらの変動は、日
向灘北部及び日向灘南部のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するも
のと推定しています。

硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起が、「硫黄島2」では南向きの変動が
継続しています。

西之島では、火砕丘の周辺の広範囲で衛星から遠ざかる変動が見られます。また、火砕丘
の北東斜面及び南側で衛星から遠ざかる変動が見られます。

桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「垂水」-「隼人」の基線で2021年1月上旬から、
わずかな伸びが見られます。

国土地理院 21.5.13
https://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2021-goudou0513.html

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第1位 5月1日 宮城県沖で最大震度5強の地震を観測
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/4228873923811925/
第2位 5月6日 熊本県熊本地方で最大震度4の地震を観測
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/4243148465717804/
第3位 4月18日 広島県北部で最大震度4の地震を観測
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/4190514997647818/

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