Webマガジン 第215号  

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<WebマガジンSignalNow> 2022年8 月15日・第215号
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(1)命を守る防災コラム 第161回
   豪雨災害対策について
(2)7月の地震活動
(3)7月の地殻変動

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(1)命を守る防災コラム 第161回
   豪雨災害対策について
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例年、7月・8月は「数十年に一度」と言われるぐらいの豪雨や線状降水帯などによる大
雨が毎年のように観測され、各地に大きな被害が出ています。

気象庁の観測データによると、1日の降水量が200mm以上の大雨を観測した日数は、統計
を開始した1901年からの30年間と直近の30年間を比較すると、なんと約1.6倍に増加
しています。

内閣府の調査によると、過去10年間(平成21年~平成30年)で、実に97%以上もの市
町村で水害・土砂災害が発生しています。

今年も、7月14日からの大雨では九州や東北地方を中心に大雨となって河川が氾濫し、
死者1人・重傷者1人、家屋浸水、土砂災害などの被害がありました。

また8月3日からの大雨では、北陸や東北地方など「1道12県(北海道、青森県、岩手
県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、石川県、福井県、岐阜県、滋賀県、奈良県、岡山
県)」で広域な被害が発生しました。

人的被害は9人(行方不明者1人、負傷者8人)、住宅被害は3,726棟(全壊7棟、半壊
29棟、一部破損26棟、床上浸水1,405棟、床下浸水2,259棟)が報告(8月10日12時
現在)されました。

被害にあわれたみなさまには、心よりお悔やみ・お見舞い申し上げます。

1.大規模水害に備えて始まった「流域治水」について

気候変動に対する日本の水害対策は大きな転換を迫られ、各地で水害に対する防災・減災
が求められるところです。

政府がまとめた大規模水害が起きた時の被害想定は、広範な地域で複数の大きな河川が氾
濫し、壊滅的な被害が及ぶシミュレーションとなっています。

それをもとに、国は新たな水害対策「流域治水」に取り組み始めました。

治水・河川の管理者だけでなく、川周辺の企業や住民にも協力を要請し、流域全体で受け
止められる雨の量を増やそうとする考え方です。

これまで川だけに頼り、すべてを川に流すことで、逆に河川の氾濫を促してきてしまった
反省にもとづいています。

「流域治水」に使用するのは、遊水池、ため池、田んぼなどです。

例えば、「九州北部豪雨」をきっかけに、熊本県阿蘇市では「小倉流水地」という遊水地
が整備されました。

川が氾濫しやすい場所の堤防をわざと低くすることで、一定の水量に達すると自然に「面
積88ヘクタール、貯水量265万トン」の遊水地へ流れ込ませ、氾濫を防ぐという防災です。

また、熊本県球磨川沿いにある湯前町では、大量の雨水を貯める機能がある水田を「田ん
ぼダム」として活用しています。

大雨が降ると、水田から川に流れ込む扉を閉じて水量を減らします。

田んぼの水量はコンピュータが管理し、扉の開け閉めはスマートフォンで操作できるよう
にしてあり、離れた場所から水量調節が行えます。

田んぼダムは「約30cmの高さまで、24時間の冠水」であれば、稲に影響しません。

通常の水田が10cmの高さの場合、広大な水田の面積に20cmを掛けた水量を貯留できるこ
とになります。

球磨川流域の「田んぼダム」として整備された面積は約3300ヘクタール(東京ドーム
700個分)に上り、莫大な水量を貯留できるようになりました。

この「流域治水」は、全国109の一級水系などでも計画されています。

2.「雨水貯留」について

「雨水貯留」というのは、大雨が降った際に「その場所で雨水を駐留することで水害を減
災する」いう考え方です。

例えば、公園や学校の校庭、駐車場といった既存施設の周囲を高さ30~50cmのコンクリー
ト壁で囲み、雨水を貯めて外に出さないことで、側溝や河川、下水に流れ込む量を減ら
そうというものです。

個別には小規模でも、数多くの「雨水貯留地」が大量の雨水を受け止めてくれれば、それ
だけ河川の氾濫を防げる可能性が高くなります。

3.浸水しない住宅について

地震に対しては「耐震」から「免震・制振へ」という技術革新がありました。

同じように、水害に対しても「耐水害住宅」という技術革新が進んでいます。

大雨の際には住宅を完全密閉し、水を住宅内に入れないまま「船のように浮く」というも
のです。

住宅の外壁には、中からの湿気は排出しつつ、雨水は入れない専用の透湿防水シートを外
壁面を包み込むように施工し、シートのジョイント部分やシートと基礎の接合部分は、耐
水接着剤で水密性を確保して浸水を防ぎます。

玄関ドアは、ドアとドア枠の間には水密性の高い中空パッキンを採用し、壁とドア枠を一
体化させて隙間をなくし、鍵穴の位置を耐水害仕様にしてあります。

サッシは、高水圧にも耐える「強化ガラス」と水を浸入させない「樹脂サッシ」を取り付
け、中空パッキンを使用して窓と窓枠の隙間からの浸水も防ぎます。

床下の排水管には「逆流防止弁」を取り付け、屋内に逆流するのを防ぎます。

外部の電気設備やエアコンの室外機も、水没しないような高所に取り付け、給湯器も完全
防水仕様のカバーで浸水を防ぎます。

これで「床下・床上浸水」は完全に防げて、さらには水没するほどの水害の際には、住宅
ごと浮上する設計になっています。

船を係留するように、家の四隅と敷地内に設置したポールとつなぎ、あえて家を浮かすこ
とで家の水没を防ぎ、水が引いていくとともに住宅が元の位置に収まるようになっています。

住宅は1度浸水してしまうと、リフォームや建物の復旧、家財道具の買い直しなどに数百
万円、場合によっては1000万円近くかかることもあるようです。

そうした心配がある場合には、「耐水害住宅」というのも1つの選択肢かもしれません。

日常から常に防災意識を持って被害想定を行い、被害を最小限にとどめられるよう備えて
おきたいものですね。

by Hirono

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(2)7月の地震活動について
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全国で震度3以上を観測した地震の回数は11回で、このうち最大震度4以上を観測した
地震は2回でした。

日本及びその周辺におけるM4.0以上の地震の回数は83回でした。

気象庁 22.8.8 令和4年7月の地震活動及び火山活動について
https://www.jma.go.jp/jma/press/2208/08a/2207jishin.html

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(3)7月の地殻変動
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東北地方を中心に、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。

2020年夏頃から紀伊半島西部・四国東部で観測されている、それまでの傾向とは異なる
地殻変動は、2022年春頃に鈍化したまま現在もその状態が続いているように見えます。
この変動は、紀伊水道周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因する
ものと推定しています。

2019年春頃から四国中部でそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。
この変動は、四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因する
ものと推定しています。

2020年夏頃から九州南部で観測されているそれまでの傾向とは異なる地殻変動は、2021
年秋頃には停滞していましたが、2022年春頃から停滞前の状態に戻りつつあるように見
えます。この変動は、日向灘南部のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに
起因するものと推定しています。

石川県能登地方では、2020年12月頃から「能都」で南南西方向の変動が、「珠洲」で隆
起が見られるなど、この地域の地震活動とほぼ同期して地殻変動が観測されています。

2022年2月頃から沖縄本島北西沖で発生している地震活動とほぼ同期して、久米島の
「具志川」で、南東方向に小さな地殻変動が観測されています。

硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」で隆起が、「硫黄島2」で南向きの変動が継
続しています。

諏訪之瀬島では、「十島」で2022年6月頃からわずかな南東向きの変動が見られます。

国土地理院 22.8.8 令和4年7月の地殻変動
https://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2022-goudou0808.html

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第1位 7月27日 フィリピン M7.0の地震 停電や土砂崩れなどの被害相次ぐ
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/5618929778139659/
第2位 8月4日 福島県沖で最大震度4の地震を観測
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/ 5640410459324924/
第3位 7月25日 静岡県東部で最大震度3の地震を観測
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/ 5613029758729661/

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