メールマガジン 第187号  

⇒2020年3月15日・第186号      ⇒2020年2月15日・第185号      ⇒最新 一覧

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
<メールマガジンSignalNow> 2020年4月15日・第187号
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

――――――――― SignalNow 公式SNS ―――――――――――

Facebook  https://www.facebook.com/SignalNow/
Twitter  https://twitter.com/SignalNowEEW/

■■□――――――――― INDEX ――――――――――□■■

(1)2分で読める防災コラム 第133回
新型コロナウイルスについて
(2)今、南海トラフで地震が起きたら…
(3)3月の地震活動及び火山活動
(4)3月の地殻変動

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
(1)2分で読める防災コラム 第133回
新型コロナウイルスについて
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

本メールマガジンは「東日本大震災」を契機に、少しでも「防災や減災
に役立てば」との思いから始まり、主に地震を中心とした(気象庁が管
轄する)自然災害を取り扱ってきました。

そのため、地震、(地震によって生じる)津波、火山活動、地殻変動の
ほか、時には(急遽)台風や大雨による豪雨災害なども取り上げてきま
した。

また、関連情報として、耐震・制震・免震、避難や備蓄なども取り扱っ
てきました。

新型コロナウイルスについては、気象庁の管轄ではないことから本メー
ルマガジンで扱うのはどうかという考え方もあるかと思いますが、今や
世界を震撼させる事態となり、すべての人に直接的に影響を受ける状況
となっています。

そこで今号については特例措置として、大きなくくりでの「自然災害」
とみなし、急遽、取り上げますことにご理解いただければと思います。

亡くなられた方々、闘病に苦しんでおられる方々には、心よりお悔やみ
とお見舞いを申し上げます。

1.新型コロナウイルスについて

新型コロナウイルス はその名のとおり、コロナウイルスの1種で、これ
まで人に感染するコロナウイルスは、7種類見つかっています。

コロナウイルスとは、エンベロープ(ウイルス表面の脂質性の膜)上に
コロナ(王冠)のような「タンパク質の突起を持つ」ことが特徴とされ、
これが名前の由来にもなっています。

ウイルスにはエンベロープを持つものと持たないものがあり、コロナウ
イルスを含めた「エンベロープを持つ」ウイルスは、アルコールで失活
するという特徴と、変異を起こしやすいという特徴があります。

そのため、アルコール消毒が有効とされているわけです。

またコロナウイルスは、動物界のウイルスがヒトに感染して、重大な被
害を与えるという特徴もあります。

コロナウイルスのうちの4種は、一般的な「風邪」の原因の10%から
15%(流行期は35%)を占めており、ほとんどの場合は軽症に終わります。

残りの2種類は、2002年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)と
2012年以降発生しているMERS(中東呼吸器症候群)です。

そして7番目に発見されたのが、今回の「新型」コロナウイルスであ
り、学術的には2019年に発見されたことから「2019-nCoV」や、SARSと
の類似性から「SARS-CoV-2」と呼ばれていました。

そして2020年2月11日、世界保健機関(WHO)が正式に疾患名「COVID-
19(コビッド・ナインティーン)」というする命名が発表されました。

つまり今回のウイルスは「新型」ではあるものの、人類がこれまで遭遇
したことがないようなまったく「未知」のウイルスということではあり
ません。

この点は非常に重要で、これまでの「既知のウイルス」の「新型」なの
であれば、対処方法を考える糸口があるということです。

これまでも人類は、ウイルスによる感染症を数多く克服してきました。

研究を積み重ねていく中で「ウイルスのしくみ」を把握し、それに応じ
た治療薬を開発してきた歴史があります。

2.ウイルスの基本的なしくみとは

ウイルスは、単独では増殖できないため、感染した細胞(宿主)の中に
入り込み、自らの設計図とも言うべき核酸(DNAもしくはRNA)を複製し
て増殖していきます。

ウイルスは「ゲノム」として、DNAかRNAどちらか一方の核酸を持ち、
ウイルスの複製に必要な「遺伝情報」がゲノムにコードされています。

つまり、デオキシリボ核酸(DNA)を持つ「DNAウイルス」と、リボ核酸
(RNA)をゲノムとする「RNAウイルス」に大別され、新型コロナウイル
スはRNAウイルスとなります。

(1) DNAウイルス(DNAしか持たないウイルス)
増殖の際に一度、RNAに変換してからタンパク質を作ります。

(2) RNAウイルス(RNAしか持たないウイルス)
RNAが遺伝子の役目を兼務しつつ、タンパク質を作って増殖します。

DNAウイルスは、細胞のDNA合成に関わる酵素を利用してゲノムを複製
するため、ボックスウイルスのような自分自身のDNA合成酵素を持つも
の以外は「核」の中で増殖します。

そのため、治療薬の対策としては、遺伝子の「転写開始前」の制御によ
り行われます。

RNA合成酵素は、ウイルスRNAを鋳型として細胞質で作られて機能します。

したがって、RNAウイルスにおいては、原則として「細胞質」で増殖す
ることになります。

3.RNAウイルス治療薬のしくみ

RNAウイルスには、インフルエンザウイルス、エイズウイルス、エボラ
ウイルスなどがあります。

DNAは「二重らせん構造」をしていて、二重らせんの梯子をくっつけて
いるタンパク質が、A(アデニン)、T(チミン)、G(シトシン)、
C(グアニン)の4つです。

現在、もっとも治療薬として期待されている「アビガン(ファビピラビ
ル)」は、かなりシンプルな構造をしていて、実は、G(シトシン)、
C(グアニン)の構造に似せています。

そのため、増殖しようとするウイルスが「アビガン」を遺伝子的に必要
な成分と勘違いし、間違えて取り込んでしまうのです。

当然「アビガン」は、G(シトシン)でもC(グアニン)でもないの
で、アビガンを体内に取り込んでしまったウイルスは「複製」ができず
に、細胞分裂も行えないため、増えずに消滅してしまうのです。

これが「アビガン」が治療薬として機能するしくみです。

したがって、もともとは「新型インフルエンザ治療薬として開発されて
いた」ということでもあり、エイズウイルスやエボラウイルスなどにも
効果があるとされるわけです。

ほかに治療薬として期待されているものに、抗エイズウイルス薬の「カ
レトラ」、エボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」などがあります。

4.アビガンについて

アビガンを創薬したのは、富山化学工業株式会社です。

富山化学工業(株)は、日本国内の数多くある医薬品メーカーの中でも抗
生剤を作り出すのが得意な医薬品メーカーです。

その歴史は古く、1936年に創業された老舗の医薬品メーカーであり、
2002年には大正製薬とも業務提携を行なっています。

その後、2018年に 富士フイルムRIファーマ(株)と富山化学工業(株)が
合併しました。

抗生剤は開発が難しいわりに、利益が取りづらいということで開発を止
めた製薬会社も多いのです。

それでも根気よく、抗生剤・抗ウイルス剤を創薬してきた富山化学工業
が、全世界・全人類を救うことになるのかもしれません。

日本企業の研究・開発の底力を改めて感じさせる話と思います。

5.アビガンの副作用について

「薬」ですので、もちろんアビガンにも副作用があります。

それは、人体の細胞も「アビガン」を遺伝子的に必要な成分と勘違いし
て取り込んでしまうことにあります。

人体の細胞がアビガンを取り込んでしまうと、特に精子や卵子に異常が
発生可能性があり、奇形児が生まれてくる可能性が高まります。

したがってアビガンは、「妊婦」や「妊娠の可能性のある方」には処方
できないとしています。

同様に、男性側にも「妊娠をさせる可能性のある方」には処方できない
ことになります。

とはいえ、処方するほどの「病状」にある男性が、そのような行為をで
きるとは考えにくいということです。

なお、化学製品などを手掛けるデンカ株式会社 は、政府からの要請を受
けて「アビガン」の原料を新潟県糸魚川市の工場で生産すると発表しま
した。

アビガンの原料は、デンカ(株)が国内唯一の生産メーカーでしたが、現
在は生産を取りやめていたものの、来月から設備を再稼働するとのこと
です。

デンカ(株)は「新型コロナウイルスへの対策を社会的責務と捉え、確実
な供給を図る」としています。

日本企業の底力が、全世界・全人類を救ってくれることを祈るばかりです。

<参考としたWebサイト>
東京大学医科学研究所、東京大学医学部附属病院臨床研究推進センター、
秋田大学大学院医学系研究科・医学部サイト、富山化学工業(株)、デン
カ(株)、各種報道機関サイトほか

by Hirono

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
(2)今、南海トラフで地震が起きたら…
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

新型コロナウイルスの感染が拡大する中で考えたくもありませんが、大
地震はいつ起きてもおかしくありません。

南海トラフ巨大地震もその1つです。

しかし、1年前から始まった「事前避難」の計画づくりは多くの市町村
で遅れていることがわかりました。

そこにはウイルス対策と共通する課題も…。

こんな時ですが、あなたや家族の命を守るため、少しだけ地震や津波の
こと考えてみませんか。

NHK 20.4.7
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200407/k10012370741000.html

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
(3)3月の地震活動について
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

3月13日の石川県能登地方の地震(M5.5)により最大震度5強を観測し、
この地震により、負傷者2人の被害がありました(3月23日現在)。

全国で震度3以上を観測した地震の回数は13回で、このうち、最大震度
4以上を観測した地震は2回でした。

日本及びその周辺におけるM4.0以上の地震の回数は55回でした。

気象庁 20.4.8
http://www.jma.go.jp/jma/press/2004/08a/2003jishin.html

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
(4)3月の地殻変動
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

東日本の広い範囲で、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見ら
れます。

西之島では、火砕丘の北側から東側にかけ溶岩の堆積等によるとみられ
る非干渉領域が見られ、北側、北東側及び東側で海岸線に達しています。

また、火砕丘の北側から東側にわたる広い範囲で、堆積した溶岩の経時
変化等によるとみられる複雑な変動が見られます。

一連の噴火活動に伴い、火砕丘の北側から東側にかけて溶岩等によると
みられる地形変化が見られます。

また、火砕丘の北側及び北東側で溶岩等によるとみられる海岸線の変化
が見られます。

桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「鹿児島福山」-「隼人」等の
基線でわずかな伸びが見られます。

また、桜島島内の基線ではわずかな伸びが継続し、「桜島」では隆起の
傾向が見られます。

諏訪之瀬島では、「十島」で2019年末頃から、南東方向の小さな変動が
見られます。

国土地理院 20.4.8
https://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2020-goudou0408.html

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
□■■ ~最近のFacebook「いいね!」トップ3~ ■■□
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
第1位 3月13日 石川県能登地方で震度5強の地震
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/3079794642053198/
第2位 富士山「大規模噴火なら3時間で首都機能マヒ」
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/3121616601204335/
第3位 北海道沖で津波28メートル予測
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/3118799501486045/

・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。
♪見守りケロタンからのお知らせ♪
・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。
◆SignalNow X (無償版) ダウンロードサービス実施中!!
http://www.estrat.co.jp/signalnowx.html
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/signalnowx/
---------------------------━━━━★
◆新津波電文対応SignalNow Lite、販売中!!
気象庁の新津波電文に対応し、津波警報・注意報も通報することが
できます。「高度利用者向け緊急地震速報(予報)」を利用した通報
システムです。
http://www.estrat.co.jp/snlite.html
・~・~・~・~・~・~・~・発行元・~・~・~・~・~・~・
ストラテジー株式会社
〒182-0023 東京都調布市染地2-14-50
SignalNowシリーズの開発・配信事業を行っています。
緊急地震速報 地震動の予報業務の許可事業者 許可第198号
http://www.estrat.co.jp/
・~・~・~・~・~・~・~・編 集・~・~・~・~・~・~・
株式会社小林洋行コミュニケーションズ SignalNowデスク
〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-15-7
https://kobayashiyoko-com.jp/sn/
・~・~・~・メールマガジンの配信停止・配信先の変更・~・~・
次のアドレスからお手続きをお願いします。
https://www.kobayashiyoko-com.jp/sn/maga/form.php
※配信停止・配信先の変更は、配信リストの更新に数日かかるため、
配信停止後も数回配信されてしまうことがあります。
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
このメルマガは、SignalNow シリーズをご利用いただき、メルマガ
送信に同意された皆様にお送りしております。
このメルマガは、等幅フォントで最適にご覧いただけます。
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
このメールは送信専用アドレスにてお送りしています。
ご返送いただいても、対応いたしかねますのでご了承ください。
━━━━━━━━━━━━━Copyright 2019 Strategy Corporation.

ページのトップへ戻る