メールマガジン 第186号  

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<メールマガジンSignalNow> 2020年3月15日・第186号
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(1)2分で読める防災コラム 第132回
東日本大震災から9年
(2)南海トラフの津波確率 詳細データをWEBで公開
(3)2月の地震活動及び火山活動
(4)2月の地殻変動

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(1)2分で読める防災コラム 第132回
東日本大震災から9年
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今号は、3月11日で9年となりました「東日本大震災」についてです。
被害に遭われました方々には、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

1.東日本大震災の被害について

これまでに確認された死者・行方不明者は、1万8428人に上ります。
死亡した人のうち、57人の身元が依然として判明していません。

その後の避難生活などで亡くなった「震災関連死」は3700人以上を数
え、福島県と茨城県においては「震災関連死」で亡くなった人の数が、
震災で直接亡くなった人数を上回っています。

この「震災関連死」を含めると、東日本大震災による死者・行方不明者
は、少なくとも合わせて2万2167人に上ります。

そして今も、福島県の住民3万914人を始め、合わせて4万7737人が避
難生活を余儀なくされています。

また政府が「復興・創生期間」と位置づけた「震災10年」まで残り1年
となる中、震災後に造られた災害公営住宅で今、多くの入居者が家賃の
値上げに苦しんでいます。

あるケースでは、入居当初は8300円だった家賃が昨年4月に、およそ3
倍の2万7000円に上がったそうです。

別の例では、被災した人が所得控除の対象から外れたことなどから入居
当初から年々家賃が上がり、来年度は当初の4倍近くになるという通知
が来たそうです。

家賃負担がさらに重くなるため、生活費を切り詰めても、せっかく入居
できた災害公営住宅から退去して、もっと安いアパートに引っ越すこと
を考えざるを得ない羽目に陥っているそうです。

9年という月日が流れても、震災の影響は被災した人たちの生活に色濃
く残っています。

2.巨大津波の検証について

東日本大震災の津波は、局所的に40メートルの高さまで斜面を駆け上が
りました。

この国内の観測史上最大級の高さとなった巨大津波が、斜面を駆け上
がった「遡上高」などを示した地図グラフが作成されました。

津波研究の第一人者である東北大学の今村文彦教授は、この9年の間、
一つひとつ「巨大津波が起きた原因」を調べてきました。

今村教授が注目したのが「揺れの大きさ」で、宮城県では最大震度7で
津波の遡上高は15メートル以下だったのに対し、宮古市では震度が5弱
から5強であるにもかかわらず、30メートルを超えた高い津波が集中し
たのです。

通常、大きな津波が発生する時は大きな揺れも伴うものですが、「津波
地震」と呼ばれる特殊なメカニズムで発生した場合、大きな揺れが伴わ
ずに巨大津波が発生すると分析したのです。

この「津波地震」では、プレートの比較的やわらかい部分がゆっくりと
大きく動く「海底地すべり」によって、大きな津波が発生したと考えら
れます。

今村教授の研究グループは、「海底地すべり」による「津波地震」、大
きな揺れを伴わないのに巨大津波が発生する、いわば「サイレント津
波」という現象が起きたのではないかと検討を重ねてきました。

通常の地震による津波に、「サイレント津波」が重なり合うことで、津
波が巨大化し、岩手県北部に、特に高い津波が集中したことがシミュレー
ションで確かめられたのです。

今村教授は、次のように話しています。

「サイレント津波が、津波の巨大化に、非常に重要な役割をしていたと
言えます。

 揺れが小さいから大丈夫だと思っていると、実はとんでもない巨大津
波が来るのです。

 今後は、このようなことをしっかりと考えて、対応していかなければ
いけないと思います。」

3.特殊な現象「射流」について

東日本大震災を検証していく中で、これまでの常識を超える「射流」と
呼ばれる現象が起きていた可能性があることがわかってきました。

「射流」を発生させた原因は、皮肉にも町を守るはずだった巨大な防潮
堤だったのです。

岩手県宮古市の田老地区に押し寄せた津波は、高さ10メートルの防潮堤
を乗り越えました。

津波工学が専門の中央大学の有川太郎教授は、次のように話しています。

「田老地区では、高さ10メートルもの防潮堤を越え、水が斜面を流れ
下ったことで勢いが増し、急激に速度が上がって「射流」が発生したと
考えられます。

 10メートル級の巨大な堤防ができてから、それを乗り越える津波がき
たことは世界的にもなく、人類が初めて経験したことだと思います。」

有川教授は、大学の実験施設に田老地区の防潮堤と同じ高さの斜面を再
現する装置を設置し、実物大の実験を行いました。

実験の結果、水深15センチの津波でも、成人男性の重さに相当する70
キロの箱が大きく流されることがわかりました。

これは、足首の高さ程度の津波でも、大人の男性が足をすくわれて流さ
れてしまう可能性があることを示しています。

津波の速度を分析すると、秒速8メートル(時速30キロ)に相当し、大
人が全力で走っても、逃げるのが難しいようなスピードだったのです。

[出典] 各大学のWebサイト、NHKの特集ページなど。

南海トラフの地震・津波の発生が危惧される中、東日本大震災での教訓・
分析をもとに、被害を最小限に抑えるための「防災・減災」への備えが重
要となります。

地震の揺れと津波の大きさは一致しないこと、たとえ15センチの津波で
も10メートル級の「射流」が起きれば、時速30キロで体重70キロの成
人が流されるという事実を知っておくことが大切と思います。

東日本大震災の重過ぎる教訓を、今後に生かしていきたいものです。

by Hirono

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(2)南海トラフの津波確率 詳細データをWEBで公開
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防災科学技術研究所が、南海トラフ沿いの地域が今後30年以内に津波に
襲われる確率について、地域ごとの詳細なデータを確認できるウェブサ
イト「津波ハザードステーション」を公開しました。

先月、政府の地震調査委員会が公表した、南海トラフ沿いの地域が今後
30年以内に津波に襲われる確率が地図に示されています。

住宅が流失・全壊し始めるとされる3メートル以上の津波に襲われる確
率は四国、近畿、東海を中心に広い範囲で非常に高い「26%以上」とな
っていて、拡大すると50メートル四方ごとの詳しい確率を見ることがで
きます。

これらの確率には、発生頻度が分かっていないマグニチュード9.1の最
大クラスの巨大地震による津波は含まれておらず、より発生頻度が高い
とされる津波が対象となっています。

防災科学技術研究所は、「最大クラスの津波への備えも重要だが、発生
確率の高い津波のリスクを知って、どれだけ備えが進んでいるのか改め
て検証する材料にしてほしい」としています。

TEAM防災ジャパン 20.2.26
https://bosaijapan.jp/news/【技術・仕組】南海トラフの津波確率-詳細データ/

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(3)2月の地震活動及び火山活動について
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■地震活動
全国で震度3以上を観測した地震の回数は9回で、このうち、最大震度
4以上を観測した地震は4回でした。
日本及びその周辺におけるM4.0以上の地震の回数は78回でした。

■火山活動
警報・予報事項に変更のあった火山はありません。

気象庁 20.3.9
http://www.jma.go.jp/jma/press/2003/09a/2002jishin.html

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(4)2月の地殻変動
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東日本の広い範囲で、2011年東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見ら
れます。

2019年4月頃から紀伊半島西部・四国東部でそれまでの傾向とは異なる
地殻変動を観測しています。

この変動は、紀伊水道周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくり
すべりに起因するものと推定しています。

硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起が継続しています。
「硫黄島1」で北西向、「硫黄島2」では南向の変動が継続しています。

西之島では、火砕丘の北側から東側で溶岩の堆積等によるとみられる非
干渉領域が引き続き見られ、海岸線まで到達しています。

また、火砕丘の北東側の広い範囲で、堆積した溶岩の経時変化等による
とみられる複雑な変動が見られます。

一連の噴火活動に伴い、西之島の北側及び東側で溶岩等によるものとみ
られる地形変化が継続しており、海岸線が変化しています。

桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「鹿児島福山」-「隼人」等の
基線でわずかな伸びが見られます。

また、桜島島内の基線ではわずかな伸びが継続し、「桜島」では隆起の
傾向が見られます。

諏訪之瀬島では、「十島」で2019年末頃から、南東方向の小さな変動が
見られます。

国土地理院 20.3.9
https://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2020-goudou0309.html

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□■■ ~最近のFacebook「いいね!」トップ3~ ■■□
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第1位 十勝岳で火山性地震増加
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第2位 2月12日 福島県沖で震度4の地震
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第3位 2月13日 択捉島南東沖で震度4の地震
https://www.facebook.com/SignalNow/posts/3018912354808094/

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